歴史書

内田和彦『地上で神の民として生きる』 by junstott

内田和彦『地上で神の民として生きる』いのちのことば社、2019年

概要

ペテロの手紙第一の講解説教を本にまとめたもの。
この手紙は苦難の中にあるクリスチャンを励ますために書かれたものである。
クリスチャンは地上で神の民として生きる限り、悩み・苦しみや困難、時に迫害がある。
私たちが苦難にあうのは私たちの成長と証しのためであり、やがて神は私たちに栄光を与えてくださる。

 そのようなことが頭では分かっていても、実際に困難に直面すると、神の恵みから外れてしまったように思いやすい私たちです。しかし、それは違います。どのようなことがあっても、私たちは神の恵みの御手のうちにあるのです。(p.246)

私たちは無力なものであるが、神は私たちを堅く信仰に立たせてくださり、私たちを永遠に守ってくださる。

彼らが苦しむときには、いつも主も苦しみ、主の臨在の御使いが彼らを救った。その愛とあわれみによって、主は彼らを贖い、昔からずっと彼らを背負い、担ってくださった。(イザヤ書63:9)

感想

クリスチャンの苦難は切実な問題である。
この手紙が書かれた1世紀と同様、クリスチャン人口が極めて少ない日本のような社会では、キリスト教信仰に対する無理解や拒絶はクリスチャンの誰しもが感じることである。
そのような中で、聖書に書かれているからと言って試練を受け止めることは、弱い私にとって難しいことである。

それでも、どれほどの困難があったとしても、その理由が納得できずとも、神様は私たちを愛しておられることは変わらない。その証拠としての十字架がある。
イエス様は苦しみを受けてくださった。そして罪と悪に勝利してくださった。
私たちに御霊を送ってくださり、御霊は私たちを信仰に堅く立たせてくださる。

そのことを覚えていたい。
「クリスチャンの強さ」ということが言えるとしたら、何かしらの能力のことではなく、自分の弱さを知り、神に依り頼むことができる、依り頼む信仰が与えられている、そういう強さだと思う。

あらゆる恵みに満ちた神、すなわち、あなたがたをキリストにあって永遠の栄光の中に招き入れてくださった神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみの後で回復させ、堅く立たせ、強くし、不動の者としてくださいます。(Iペテロ5:10)

by junstott