映画

【評価あり】アメイジング・グレイス映画紹介 


あらすじ


18世紀イギリスでは、奴隷産業が活発的に行われていました。そのことに対して心を痛めていた政治家であったウィルバーフォースは、友人であるウィリアム・ピット(後の首相)と共に、奴隷解放制度が成立させるまでの生き様を描いている映画です。

ウィルバーフォースは奴隷解放に向けて様々な壁にぶつかるが、師ジョン・ニュートンが作曲した「アメイジング・グレイス」が、常に彼の心の支えになっていました。

 


感想


内容

盛り上がり

BGM

感動

総合オススメ度

 

内容

内容は、文句なしの★5つ。「神を讃えるか、世を変えるか」ウィルバーがピットから言われたこの一言は、映画を象徴するような言葉だと思います。この言葉を奴隷解放という問題に対してどのように応答していくのか。一貫して、そのテーマで話が進められていると思いました。

この言葉には、皮肉が大いに込められています。神を讃えることと「世」が区別され、「世」と「信仰」が相容れない言葉として用いられていたことです。

ウィルバーが奴隷解放に対しての思いがありつつも、行動を起こすまでに葛藤を覚えているシーンが何度もあったのは、まさに「信仰」と「世」への行いを対照させているからだと思います。

 

盛り上がり

盛り上がりは★★★★☆にしました。先述した、ウィルバーの葛藤が長く続いている分だけ、話自体に大きな変化がなく、盛り上がりが少し欠けているようにも感じました。少し映画自体が長いというのもあるかもしれません。まあでも、ノンフィクションで、奴隷解放という大きな事柄に向き合うウィルバーの壮絶な人生それだけを考えるだけでも、非常にのめり込みながら映画を観ることが出来ました。

 

BGM

言わずもがなの★5つ。アメイジンググレイスがこの作中の中心です。アメイジンググレイスを作曲したジョン・ニュートンの弟子が主人公のウィルバーなのですが、彼は、いつもアメイジンググレイスの曲を思いだして、奴隷解放への決意を日々強くしていきます。この曲を作ったジョン・ニュートンの葛藤もまた、非常に感動します。

感動

文句なしの★5つです。何よりもウィルバーとそれを支えるピットとの友情が非常に感動的。病気との戦いや、奴隷解放への活動を進めていてもなかなか成果が出ない期間があり、また、その途中で、病に伏せ、体に鞭を打ちながらも最後まで、向き合い続けるウィルバーの生き様は本当に励まされ、感動を覚えます。

 

総合オススメ度

この映画は、何よりもウィルバーの生き様が描かれている映画でした。何回も現実が「変わらない」ということを嘆きながら、信仰とウィルバーの周りに集った同胞達によって、人格が練られ、忍耐と品性が養われ、奴隷解放に尽力していく姿は、非常に感動を覚えます。

ウィルバーの姿から、キリスト教の信仰は社会と切り離して、自分の中で完結していいものではなく、信仰があるならば、行いが常に伴い、正しさを求める社会への参加や仕事への従順さや誠実さ、目の前に起こっている試練への向き合い方、それらを実践して初めて信仰が表現されている映画でした。

最後にある歴史書からの引用をします。

19世紀にイギリスのキリスト教徒が行った最大の貢献は、西欧社会の大部分で奴隷制の廃止をしたことである。クエーカー派とメソジスト教会は何年も前から奴隷制を非難していたが、ウィリアム・ウィルバーフォースをはじめとする多くのキリスト教徒の努力により、イギリスは政府は、19世紀になってようやく奴隷制に反対するようになった。イギリス議会は、1806年と11年に奴隷貿易を禁止する法律を発布し、33年にはカリブ海のイギリス領ですべての奴隷が解放され、その後他の植民地でも同様の法律が発布された。

引用文献:キリスト教史下巻 宗教改革から現代まで 著フスト・ゴンサレス 訳石田学,岩橋常久

 

 


まとめ


 

この映画は、奴隷解放に人生をかけたウィルバーの生き様を描いた映画です。そして、彼の原動力は常に、「アメイジング・グレイス」でした。

特に、その曲を作曲した師ジョン・ニュートンの思いを受け取り、祈ることだけでなく、実際に政治に参加し、世の中を変えようとし続けた主人公ウィルバーフォースの生き様は、多くの人に感動と励ましを与えます。

是非、ご覧になってみて下さい。

 

アマゾンにはDVDが売られているけど、少し高価なので、レンタルビデオ屋さんで借りてみるのが、おすすめです。