あらすじ
ガース・デイビス監督によるノンフィクション、ヒューマンドラマです。
インドのスラム街に住んでいた5歳のサルーは、ある日兄と一緒に仕事を探しに出かけます。その先で、停車中の電車で誤って寝てしまい、インドの大都市カルカッタまで来ていしまいます。
5歳のサルーはそこで迷子になりますが、やがて養子に出され、オーストラリアで25年過ごすことになります。
その後、サルーは大学の在学中に友人との話の中でgoogle earthの存在を知り、自分の家や兄、本当の母親をgoogle earthを使って探し始めます。
| 映画 | LION ライオン 25年目のただいま |
| 映画監督 | ガース・デイビス |
| 上映時間 | 119分 |
| 上映日 | 2016年 |
| 受賞歴（英国アカデミー賞） | 助演男優賞、脚色賞ほか多数 |
| ジャンル | ヒューマンドラマ |
| 視聴できるサービス | amazonプライム（見放題）月額500～ |
評価
内容
感動
俳優
総合オススメ度
内容
本作は、インドで家族と離れた子供がオーストラリアで育てられ、大人になってから、google earthで本当の家族を探すという話で、実際にあったとは少し信じられないような内容です。
しかし、映画を見てみると奇跡とも思える話の一つ一つに人のつながりを見ることhができます。
特に主人公のサルーを養子にしたオーストラリアの夫婦は非情に良い人たちで、サルーは二人から多くの愛情を受けます。
サルーがすくすくと良い子に育っていく姿は、親心同然で見てしまいます。
しかし途中で、サルーは本当の親のことを気にし始めてしまいます。自分は子どものころどのような親に育てられ、どういった場所で生きていたのか。
サルーの自分探しは、ついに友人から教えてもらったgoogle earthで始まることになりますが、サルーが自分を探しをし始める時のオーストラリアの両親のサルーに対しての愛にあふれた想いは、ぜひ、見てみてほしいポイントです。
感動
話の内容からして感動しないわけがありません。
大人になったサルーは、子どもの時のおぼろげな記憶を辿ります。google earthをもとに自分の故郷を探しますが、今まで20年近く育ててくれた親のことを考えて、なかなか一歩踏み出せられないサルーの様子や、それを暖かく見守るオーストラリアの両親の愛情を見ると、人の温かさを感じることができます。
また、サルーには、同じ養子の弟がいて、その弟は両親が困ってしまうような生活をおくっていました。そんな兄弟の関係の変化を見ても感動します。
始めは、伏線が多く、なかなか感動する場面はないのですが、終盤になると一気に伏線が回収されていき、目を離すことができなくなっていきます。
この映画は、人間関係の温かさを感じることのできる映画です。
俳優
サルーの養母をえんじたのは、アカデミー主演女優賞を受賞した経験もあるニコール・メアリー・キッドマンです。本作品でも、ハリウッド映画助演女優賞など多くの賞を受賞しました。
この映画で、養母の役を演じ切るために、ニコール・キッドマンは実際にサルーの養母だったスーに会っています。シドニーで2人は、1日話して意気投合したそうです。ニコール・キッドマンが、スーを質問攻めにしたと話していますが、スーもニコール・キッドマンの事を信頼し、自分のことをあなたに演じてほしいと語ったそうです。
2人はその日の後も、連絡を取り合うほど、仲良しになったそうです。
ニコール・キッドマンが役に演じ切るために本物のサルーの養母に会って、想いを聞きに行くほど、この映画に力を入れていたことがわかります。
ニコール・キッドマンの演技を見るだけでも、見る価値は十分にあります。
また、主人公サルーの大人の役を演じたのは、デーヴ・パテールです。彼は、ケニア出身のインド系の移民の両親から生まれました。出身地は、ロンドンです。
彼は2008年の映画『スラムドッグ＄ミリオネア』をきっかけに有名になりました。
現在では、ハリウッドで若いインド人を演じる、と言えばデーヴの名前が出てくるそうです。そんな大人気なデーヴとニコール・キッドマン共演という本作は、必見です。
総合オススメ度
『子は持てたのよ。でも産まずに、2人の用紙をもらおうと夫婦で決めたの。あなたたち2人を家族にして生きていこうと』
ニコール・キッドマン演じる養母の言葉からも、どれだけ愛情をこめてサルーを育ててきたことがわかります。
サルーとのこのシーンは僕が一番好きで感動するシーンでした。
養母の想いとサルーの故郷への想いが、それぞれの関係を難しくすると同時に、お互いを深めていきます。
サルーの故郷に帰る夢と、それを見守る家族や友人の愛情をぜひ、注目してみてみてください。
