世界で活躍しているユダヤ人
ユダヤ人は世界人口の約0.2%(約1400万人)に過ぎないのにも関わらず、ノーベル賞の授賞者の割合は、全体の20%を占めています。
また、世界を代表する会社には、ユダヤ人が関係している者も多くあります。
・Microsoft・Google・DELL・facebook・intel・Bloomberg・SanDisk・FAIRCHILD・ORACLE・zynga・Calico・Levis・affirm・PayPal・yelp・Gartner・Wix
また、ユダヤ人の有名人も多くいます。
・スティーブン・スピルバーグ(映画監督)・イツァール・パールマン(バイオリニスト)・ジークムント・フロイト(精神科医)・エリ・ヴィーゼル(作家)・ラリーペイジ(google共同創業者)・オリバーストーン(映画監督)・アルベルト・アインシュタイン(物理学者)・ボブディラン(歌手)・マーク・ザッカーバーグ(facebook創業者)・ジョン・フォン・ノイマン(数学者)・ダニエル・ラドクリフ(俳優)
ユダヤ人がいかに世界に大きな影響を与えているかがわかります。
そして、ユダヤ人が世界で活躍している背景には、ユダヤ人の教育と考え方があります。
そこで今回は、新しい情報や知識を「聞いたとき(学んだとき)」のユダヤ人の考え方を紹介したいと思います。
ユダヤ人の「聞く」が持つ意味
ユダヤ人が最も大切にしている聖書の言葉
ユダヤ人には、聖書(旧約聖書)の中でも、特に大切にしている言葉があります。それは、旧約聖書の申命記6章4,5節の言葉です。
聞けイスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。あなたは心を尽くし、命を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。 申命記6章4,5節
実はこの言葉は、新約聖書でも引用されています。場面は、イエスとユダヤ人の律法(旧約聖書)の専門家とのやりとりです。
律法の専門家が、イエスを試そうとして、質問をします。
「先生、律法の中でどの戒めが最も重要ですか。」
その質問に対して、イエスは
「『聞け、イスラエルよ。あなたは、心を尽くし、いのちを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。』これが、重要な第一の戒めです。」と言い、
それを聞いた律法の専門家は、「先生、その通りです。主は唯一であって、そのほかに主はいない、とあなたが言われたことは、まさにその通りです。」と応えます。
イエスと律法の専門家のやり取りを見ても、ユダヤ人が、この旧約聖書の申命記の6章4,5節の言葉を最も大切にしていることがわかります。
私が、今日あなたに命じるこれらの言葉を心にとどめなさい。これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが、家で座っているときも道を歩く時も、寝る時も起きる時も、これを彼らに語りなさい。これを印として自分の手に結び付け、記章として額の上に置きなさい。これをあなたの家の戸口の柱と門に書き記しなさい。申命記6章6~9節
約3500年前に書かれたこの旧約聖書の言葉をユダヤ人は、今でも厳密に守っています。
①印として自分の手に結び付ける。
②記章として額の上に置く。
③家の戸口の柱と門に書き記す。
上の写真のようにしっかりと、頭に箱を置いて、腕には紐を結び付けていて、①、②の言葉を守っています。
③に関しては、家の柱にメズーザーと呼ばれる小箱をくっつけています。小箱の中には申命記6章4,5節の聖書箇所を書いた紙が入っています。
このことからもユダヤ人が、この申命記6章4,5節の言葉を今も昔も最も大切にしていることがわかります。
冒頭の「聞け」の意味
そして、ユダヤ人が最も大切にしているこの言葉の冒頭に来ているのが、「聞け」という言葉です。
聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。・・・・
この「聞け」という言葉は、もともとヘブライ語で『シェマー』と言います。
ここでは、「聞け、イスラエル」という言葉は、原語では「シェマー、イスラエル」と言い方をします。
この『シェマー』の意味を日本語の聖書では「聞く」と訳されていますが、原語のニュアンスでは、「聞き従う」という意味があります。
つまり、ユダヤ人が『シェマー』という言葉を聞く時には、「聞く」という行為と「従う」という行動の両方を意味として受け取り、
ユダヤ人にとって「聞く」ことと「従う(実践する)」ことは一つである、と認識があるということです。
彼らは、聞いたことをそのままにしておくことはしません。聞いたことを生活で実践しようとします。それが『シェマー』の持つ意味です。
聞いたことを実践する重要性
①聞いたこと(学んだこと)を定着させることができる。
ユダヤ人の認識にある「聞いた」ことを「実践する」ことの重要性は、科学的にも証明されています。
第一に、聞いた情報を定着させることができます。実践することが、記憶として定着する最適な方法であると科学的に証明されています。
科学的に脳が記憶するプロセスは、3つあります。
①獲得:脳が情報を得る。
②固定:得た情報を何度も再生し、細胞どうしが強く結びつく。
③想起:思い出す。
この3つ目のプロセスを脳が繰り返すことことで、記憶が定着していくわけですが、そのためには、ぼくたちが得た情報を主体的に、思い出そうとする必要があります。
そして、思い出そうとする最適な方法こそが「実践する」ということになります。
実践することで、脳の記憶のプロセスが固定化され、記憶が定着していきます。
・実践は、記憶を定着させる最適な方法
・実践を通して、知識が自分のものになる。
②実践したことを振り返ることができる。
実践することが重要である2つ目の理由は、経験し、振り返ることができる点です。
実践は、新しい経験です。
自分で得た情報をもとに考えて、自分なりに行動し、その結果を受け入れることで、その人のとっての『経験』となります。
自分なりに考え、実践した結果、その行動が成功するかもしれませんし、成功しないかもしれません。
しかし、得た情報を実践しなければ、それが成功するかどうかの経験すら得ることができません。
たとえ失敗したとしても、その実践の方法では成功しなかったという一生忘れない経験をすることができます。
聞いたこと、学んだことを実践に移すということは、記憶するうえでも人間的に成長し、考えを深めるためにも重要なことです。
・実践は新しい経験
・自分から実践をすることで、人間的に成長する。
まとめ
ユダヤ人が最も大切している聖書の言葉は、申命記6章4,5節です。
そして、その言葉の冒頭に書かれている「聞け」シェマーという言葉の正確な意味は、「聞き従う」です。
彼らは、神様から与えられた言葉をただ聞くだけではなく、実践して、その言葉を自分たちのものにしていきます。
ぼくたちも、学校で学んだこと、仕事で教わったこと、普段の生活で聞いたことを、それだけで満足することなく、生活の中で実践することで、知識を生きる知恵に変えていけたら、さらに充実した生活を送れるのではないでしょうか。