話の内容~魔法のリンゴ~
王様には一人の娘がいました。
その娘は重い病気にかかっていて、医者によると、特別な薬がないと治せず、死んでしまうとの事でした。そこで王様は、自分の娘の病気を治した人に、この娘を与えることを宣言しました。
別の遠い国に、3人の兄弟がいました。3人はそれぞれ、望遠鏡、全ての病気が治る魔法のリンゴ、どこへでも行ける魔法のじゅうたんを持っていました。
そのうちの一人が、望遠鏡で宣言されたお触書きを見て、3人でその娘を助けたいと話し合いました。
そこで、3人は、兄弟の一人が持っていた魔法のじゅうたんで娘のいる国へ行き、持ってきたリンゴを娘に食べさせ、病気を治しました。
すると兄弟の一人は、「ぼくが望遠鏡でお触書を見なければ、ここに来ることができなかった。」と言いました。
すると、もう一人の兄弟は、「魔法のじゅうたんがなければ、こんな遠い国に来ることができなかった」と言い、
兄弟の3人目は「もしぼくがリンゴを持っていなければ、娘さんを治すことができなかった」と言いました。
果たして王様は、誰に娘をめとらせたのか????
この話で大切なのは、結局誰が娘をめとることになったのか。という点です。
3人兄弟はそれぞれ、別の持ち物をもっていました。
1人目:望遠鏡⇒王様のお触書を見るために使った。
2人目:魔法のリンゴ⇒娘に食べさせ病気を治した。
3人目:魔法のじゅうたん⇒遠い場所から娘がいる国に来るときに乗ってきた。
王様の決断
この3人のうち、王様は「魔法のリンゴ」を持った人に娘をめとらせました。
そんな当たり前じゃあないかと思うかもしれませんが、ここで大切なのは、実際に娘の病気を治した人ということよりも、「誰が最も犠牲を払ったか」という点です。
望遠鏡を持っていた兄弟も、魔法のじゅうたんをもっていた兄弟も娘の病気を治すために用いました。しかし、彼らは、まだ望遠鏡も、魔法のじゅうたんも未だ持っています。
しかし、魔法のリンゴを持っていた兄弟だけは、リンゴを娘に食べさせてしまったので、何も残りませんでした。
この話から学ぶ「与える時に最も重要なこと」
子どもであれ、大人であれ、学生であれ、社会人であれ、誰かに与えることは人にとって心を豊かにする行動です。
しかし、受け取る人にとって、一番うれしいのは、与えてくれた人がどれだけ、犠牲を払って与えてくれたかということ。
それは単にお金や物の量に比例するだけではなく、
贈りものにかけた時間や損得を超えた気持ちが、最も相手を喜ばせることになる
そして、与えるには、自分が犠牲にならなければいけないこと。
自分が失うことなしに、与えることはできませんし、相手に伝わりません。
と~魔法のリンゴ~の話から学ぶことができます。
・自分の何かを犠牲にして与える
・犠牲にしても、相手に伝わらないこともある。でも自分を犠牲にしなければ相手には伝わらない。
・犠牲は、量だけによらず、与えるものにかけた時間や気持ちも含まれる
ぜひ、この話から、与えることの意味と、与えることの喜びを味わってもらえたらうれしいです。
ではまた!