あらすじ
スティーブン・スピルバーグ監督によるユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)の実話に基づく作品で、1994年に日本で公開されました。
1939年、ポーランドがドイツ軍に占領されて後、ドイツ人はポーランド系ユダヤ人をクラクフ・ゲットーと呼ばれる場所に強制移住させられていました。一方、シンドラーは戦争を利用して、儲けようと画策し、ポーランドに足を運びます。その後シンドラーは、廃墟となっていた工場を買い取り、ゲットーで生活しているユダヤ人を安価で雇うようになり、事業を拡大していきます。この工場は、ユダヤ人にとっては、収容所での厳しい生活に比べたら、天国のような場所で自然とユダヤ人は、シンドラーに対して信頼するようになります。シンドラー自身、初めは安く雇えるためにユダヤ人を雇っていきましたが、ユダヤ人と共に過ごす時間や、無情にも迫害されていく光景を目の当たりにし、次第に心が動き、そのユダヤ人を守るためにあるリストを作成することになります。
映画名 | シンドラーのリスト |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
公開日 | 1994年2月 |
受賞経歴(第66回アカデミー賞) | 作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞 他多数 |
ジャンル | 戦争、歴史、外国映画 |
上映時間 | 3時間15分 |
年齢制限 | 18歳以上 |
アマゾンプライムビデオ | 見放題(2020年10月10日現在)月額500円 |
感想
内容
感動
映像
総合オススメ度
内容
衝撃的すぎるほどの作品でした。ホロコーストを題材にする数ある映画作品の中でもこれほど心騒がれ、考えさせられる作品はありませんでした。ドイツ人の徹底的なユダヤ人虐殺の非情さや冷たさが、これでもかと伝わってきます。ゲットー内で働いているユダヤ人を所長であるゲートが高台の上から無作為に銃で撃つシーンは特に印象的で、本当に目を背けたくなりました。しかし同時に、何人もの人を殺め、戦争の悲惨な現状の真っ只中にいるゲートもまた女性やお酒におぼれて一定しまいます。本作品は一貫して、人の情緒の部分を繊細に扱っているように感じました。
脚本のスティーヴン・ザイリアンは、主人公であるシンドラーの事を『善と悪を持ち合わせた男』と表現しており、まさに劇中はシンドラーの無関心さから、次第にユダヤ人に対する思いが変わっていく様子がものの見事に描かれています。シンドラーの心情の変化に注目してながら観るのも、映画を深めるやり方ではないかと思います。
感動
シンドラーとシンドラーの秘書を務めるシュターンとの友情は必見です。はじめは、シンドラーの事業拡大のために必要な人材、という程度だった二人の関係は次第に、仕事での関係以上の思いがお互いに芽生えてきます。シンドラーがユダヤ人を迫害から助けたいと思うようになったのも、間違いなくユダヤ人であるシュターンの存在があったからだと思います。
また、映画の最後には、シンドラーがユダヤ人に囲まれて、シンドラーは自らの財産のすべてを使いユダヤ人を自らの従業員として雇いますが、それでも、雇えなかったユダヤ人がいることにシンドラーは今までの生活や自らの足りなさを悔やみます。最後は、自分の身に着けている指輪であってもユダヤ人が三人が救えると言い、そのシーンは終わります。儲けのためにポーランドに来たシンドラーが最後には、すべてを捧げて、ユダヤ人を助けることに注力するようになった一つ一つの出来事を振り返ると感動せずにはいられませんでした。
映像
映画は、終始白黒の映像で流れていきます。これは、スピルバーグ監督のどのような意図があるか分かりませんが、カラーで描かれていないからこそ、迫害の悲惨さや戦争の冷たさがより際立っているように思いました。また、作中に唯一カラーで赤いコートを着た女の子が登場してきます。セリフが特にあるわけではなく、多くのユダヤ人の一人として、その女の子は登場しますが、強制収容所に連れていかれ、最終的に死体が積みあがっている中にその赤いコートを着た女の子も出てきます。まさに、数えきれないユダヤ人が虐殺されている中で、その一人一人も血の通った意志のある尊い命であることを思わされました。
総合オススメ度
スピルバーグ監督ご自身もユダヤ人であり、この映画には相当の力を入れて制作したのではないかと勝手に思っています。映画そのものの完成度も然りですが、作中での光景が実際ヨーロッパ内で行われていたと思うだけでも、自分の内側からいろいろと思うことが湧き出てきました。人間の愛の深さ、人間の非情さ、人間の弱さ、人間のもろさをこの作品を通して、深く感じることが出来ました。戦争を経験していないぼくのような世代であっても、この映画を通して、戦争に対する考えを深めることが出来るのではないでしょうか。僕が観た映画の中でも最も記憶に残る映画の一つでした。かなりおすすめです。
まとめ
スティーヴン・スピルバーグ監督によって制作されたユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を扱った作品です。3時間15分の長い作品であるにもかかわらず、あっという間と思えるほどの映画の完成度でした。R18の作品でもあるため、目を背けたくなるシーンが何度も出てきますが、実際にその事柄一つ一つが過去に実際に人間同士で行われたと思うと、考えさせられるものがあります。まだ見たことのない18歳以上の方はぜひ、一度でも観ていただければ幸いです。観た方の感想も聞きたいですね。
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